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生き様は顔に出ると思ったこと

この間学校で、自分の出来なさ加減、先生の私への態度(指導がダイレクトなだけで悪い人じゃない)に落ち込み、自分の不甲斐なさに悲しくなって、いい歳してトイレで泣いた。本当に恥ずかしいんだけど、かなり落ち込んで顔にも出てしまっていた。

(今考えると本当に恥ずかしい)メソメソしながらカフェテリアに座っていると、クラスメイトが「あなたいつもと違うね。どうしたの?」と声をかけてくれた。先生に言われたこと、自分の不甲斐なさ、自分は場違いだと思うということを彼女に話した。

声をかけてくれたクラスメイトの彼女は北欧出身。18歳の頃に渡英、それから20年間イギリスに住んでいる。英語も完璧。彼女はイギリス人が大半を占める教室の中でも常に自分のペースを保っていて、他のクラスメイトに対しても先生に対しても毅然としている。言うならばあまり人と群れない人。そんな彼女が、私に自分から声をかけてくれて話を聞いてくれたこと、それ自体がまず嬉しかった。

彼女は私にこのようなことを言ってくれた。「まずあなたは周りを気にしすぎ。コースは1年だけ。コースが終われば、先生にもおそらく会わないわ。来年の今頃は今日落ち込んだこと、あなたは忘れているでしょうね。私たちは学生だし失敗もする。だけどそれは当たり前。学べばいい。先生だって教えるのが仕事だし、私たちの失敗をケアするのが仕事なのよ。しかも私はあの人たちのこと大して好きじゃないわ。先生に必要以上に好かれる必要はないと思うけど」「あなたは、先生が言っていること、イギリス人達が話していること、全てを理解していないでしょう。でもあなたはここにいる。あなたは勇気があるわ。私はイギリスに来てすぐのころ、あなたのような勇気はなかった。あなたは立派よ」

彼女がそう言ってくれて(本当に恥ずかしさの極みだけど)また泣いた。イギリス人の中にいること、私は場違いなんじゃないかと萎縮していた。(当たり前にもちろん努力すべきなことは事実)そして、この場にいされてもらっているんだから、私も何かしら貢献したい。先生にも気に入られたい。という思いが強すぎた。同時にいつも下から下から、とてもおどおどしていた。今考えたら色々ダサかった。そんな私に彼女は「そんなことする必要ない」と正面から言ってくれた。

そして、いつも凛としている彼女に「どうしてあなたはそんなに自立しているの?強いの?」と失礼かもしれないけど聞いてみた。彼女の答えはこうだった。「私だって最初から強かったわけじゃない。イギリスに来たとき、私はとても若くて弱かった。でもLifeが私を強くしたのよ」

聞くと彼女は18歳前に妊娠、住んでいた地域では結婚せずに子供を産むことは習慣的にNGだったので、とりあえず10代同士で結婚し、お金もなかったので夫の実家へ引っ越した。でも夫は家族の言いなりで、夫の家族には相当いじめられた。その頃、彼女の姉がちょうどイギリスに移住、仕事も紹介するということだったので、夫、3ヶ月の子どもを連れて英語も話せないままイギリスに移住、それからずっと働いた。途中で夫とは離婚し、女手一つで息子を育て、息子は今年18歳になった。今は子供の手が離れたので2つの大学に入学し勉強しているという。

「え、それは大変だったね」というと「大変だったわ。人生がハード。でも全ては自分で決めたこと。夫の家族は、息子にも孫にも会えなくなったから、イギリスに行く決断をした私のことを恨んでいでしょうね。でもそんなこと私は知らない。人にやったことは自分に返ってくるのよ。夫とも離婚はしたけど人として悪い人ではないし、今もいい父親ではある。何も後悔していないわ」と言っていた。

語彙力がなくて辛いのだけど、彼女は本当にすごいなと思った。彼女は人生の中で、人のせいにせず、自分で考えて、自分の責任で多くの決断を下して生きてきた。その生き様が彼女のような、凛とした立ち振る舞いに出るんだと思った。ある意味、おそらく彼女は変に周りの人皆に好かれようとはしないだろうし、全員にいい顔はしないと思う。でも自分が大切にしたいもの、大切にしないといけないものが自分でわかる人なんだろうなと思った。

私はイギリスに来て、アジア人なこともあると思うけど、年齢を言うと驚かれることが多い。20代前半に見えると言えることもザラにある。童顔だから仕方ないかもしれないかもしれないけど、考え方の甘さが顔に出ている部分もあると思った。流れるままに、誰かに頼って生きていると気の抜けた顔になる。生き抜いている人はその人の顔を見るだけで分かる。そういえば、会社でお世話になったずっと尊敬している上司にも「自分で考え抜いて決断したか。何回決断したか。それが仕事で一番大切だから」と言われ続けてきた。それは仕事だけじゃなくて人生にも当てはまると思う。

それによく考えると、イギリスで、この授業で私はアップアップしながら頑張っていたかもしれないけど、常に「英語が第一言語じゃないんです、でも頑張っています」感を押し出していた気もする。そんなん押し出さなくても誰が見ても分かること。あえてそこを押し出す、そこに自分自身の甘えがあると思った。本当にダサかった。もちろんハンデのある私が入れてもらっていて、周りの人に迷惑をかけていることは事実。紛れもなく私は人の何倍も努力しないといけない。でも、変に下に下に出ることも、周りの顔色ばかりを伺うこともそんなことは不要だし、それはしなくていい。逆にみっともないと思った。

人生の中で心が動く瞬間ってそうないと思う。でもこの日は心が動いた日だった。彼女は私に「今日落ち込んだことは1年後には忘れているわよ」と言った。でも私はこの先もずっと彼女が私にかけてくれた言葉とその言葉を受けて自分が考えたこと、彼女の凛とした立ち振る舞い、彼女の生き様が刻まれた顔をずっと覚えていると思う。

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