駐在妻今後の生き方/キャリアについてぼんやりと思ったこと

2024年2月22日2024年5月14日

仲良くしてもらっている日本人の方とコーヒーを飲みに行きました。彼女はとても可愛らしくて気さくで、でも会うと話さなくてもわかるような芯の強さが垣間見える人。元々はパートナーの都合でイギリスに来たけど、1人でも生きていけるだけの基盤を築いておられて。本当にかっこいい。

彼女と話していて色々思うことがあったので、自分に喝を入れるために書き残しておこうと思います。まず最初に書いておくと、人には人の生き方があって、自分で決めたことは全て正しいと思うし、何が幸せかは人の数だけあると思う。人の価値観は人それぞれ。そして私は現在子育てや介護などが何もない身で、自分と(若干)夫のことだけを考えればいいお気楽な身の上。人の価値観はそれぞれ＆極めてお気楽な身の上で思ったことです。

実際のところ、今の私の生活はめっちゃ恵まれている。日本で住んでいた時の数倍の家賃の家に住んで、家はエリアの中でも最高の立地。フルタイムで仕事をしなくても生活が出来て、贅沢はしていないけど困ることは何もない。守られた場所にいるので、その場所から出なければいじめられることも嫌な思いをすることもない。(アカデミックで多様性しかない素晴らしい町にいることも1つの理由だけど)これ以上の暮らしがあるのだろうかという環境。夫ははっきり書いてしまうと日本の中ではエリートで努力家だし、事故にあったり病気にならない限りは、今後も安泰に暮らしていくことができる可能性はたくさんある。彼は今後も海外に住みたいと言う。もちろん希望が通るかは全く分からないけど、駐在員の生活はどの国に行っても色々と守られた環境で住むことになるらしい。

今の環境について夫に感謝している。私は彼のおかげで、私1人の力ではアクセスできなかった場所にアクセスが出来き、素晴らしい人々に出会っているし、妻というだけで、みんなが優しくしてくれる。知らなかった世界を知ることが出来た。本当に有難い。そしてその守れた環境を生かして、私は私で友人を作って、やりたいことを見つけて、自分の居場所を試行錯誤しながら作って楽しくやっている。夫の友人たちともよく会っているし、楽観的な観測だけど、私のことを社交的で明るいって思ってくれている夫の友人も多いと思う。他の国に行っても、まあまあうまくやれる可能性もあるのではないかと思う。

海外には住んでみたかった。こちらに来て得たものは大きい。夫に感謝している。でも私は日本での仕事が好きだったし、給料、仕事の知識、上司や同僚、顧客との関係性。私なりに積み重ねたものがあった。日本では、私はおそらく正社員で仕事を見つけることは難しくはないと思う。でも夫についてきて海外に来たらそんなに簡単には行かないし、日本にいた時よりも戦闘能力は半分以下になり、できることがかなり限られてしまう。(もちろん日本にいる時から、海外でも通用するような何らかのスキルを磨いておく努力をしていれば違ったかもしれないし、それをしなかったのは私の責任ではあるのだけれど)人間関係に関しても、家族も友人も同僚も近くにいない。その状況で生きている駐在員のパートナーたちは(とてもいい環境を支給されていることを考慮しても)みんな偉いと思う。もちろん嫌なら(特に身軽な人は)自分だけ日本に帰る道もある。でもパートナーの側にいて多少なりともパートナーの人生を支えている。それはすごいこと。

夫は社会的な立場を積み重ね続けて、私は彼を支える。金銭的に困ることはないかもしれない。でもそれで私は自分の人生を納得できるのだろうか。

身も蓋もないことを書いてしまうと、私は離婚したくなったら離婚したい。自分に生活能力がないから仕方なくこの人と一緒にいる、ということを聞いたりもするけど、そんなんいやすぎる。それに文章に書くと嫌な感じだけど、妻の役割以外にも社会的な評価が欲しい。人に評価されたい。自分の居場所が欲しい。誰かと切磋琢磨したり、家以外で泣いたり笑ったりしたい。夫との関係性も1人でも生きていけるけど、今はお互いが合意して2人で生きる道を選んでいるんだという気持ちで一緒に生きたい。自分のお金で好きなものを気兼ねなく買いたいし、家族旅行じゃなくて友達と海外旅行に行きたい。でも、海外に限らず転勤のある仕事のある人の結婚した人もそうだとは思うのだけど、次はどこに行くか不明な状態でそうやって生きることは正直なところ難しい。

フェアじゃない。私はあんたについて来たんだ。日本だったら私は出来るんだ。と文句を言うことは出来る。でも文句を言い続けたことで、パートナーについてきた選択をしている以上、何を言っても変わらない。ならその環境の中で粛々と努力をして少しずつでも自分に力をつけた方がいい。今日会った彼女のように、元々は自分の希望で海外に来たわけではなかったとしても自分で道を切り開いて生きている人だっているのだから私にも出来るはず。もちろん語学が出来たってプラスαがないと難しい。でもまずはしっかり語学が出来ないと何にもならない。まだまだだけど私も頑張ろう。人生は計画してもうまく行かないことの方が多いと思う。でもなりたい自分となりなくない自分の姿ぐらいは自分でわかる。明日からも気を入れ直して、1日1日をしっかり過ごそう。自分に喝を入れ直すいい日になりました。

ケンブリッジでの生活記