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映画 「20 days in Mariupol /マリウポリの20日間」を見た感想 Cambridge Picture house

ケンブリッジの映画を見る会

ケンブリッジ大学関係者のコミュニティーの中で「映画を見る会」があったので初めて参加してきました。映画館で映画を見て、みんなで感想をシェアする会です。週1回、アニメからドキュメンターまで幅広く映画を鑑賞しているそう。

20 days in Mariupol

今日の映画は「20 days in Mariupol」でした。元々見たいと思っていたドキュメンタリーだったので見ることができて良かった。ケンブリッジではおそらく2日間だけの限定公開だったと思いますが、全席がほぼ埋まっていました。

以下サイトからの引用です。

ロシアによるウクライナ侵攻を知り、マリウポリに向かったAP通信取材班。海外メディアが脱出する中、市内に残った彼らが撮影した映像は、国際社会を揺り動かした。後編 取材班は、通信が困難な中でも市内の惨状の映像をAP通信編集部に送り続けた。爆撃を受けた産科病棟では赤ちゃんを抱いた母親が泣き叫び、腹部から出血している妊婦が運び出される。やがてロシア軍の戦車が市内に進攻し、取材班はウクライナ軍の援護で脱出することに。行くあてのない市民を残し、複雑な思いを胸に記者たちは銃撃の中を走った… 原題:20DAYS IN MARIUPOL(ウクライナ/アメリカ 2023年)

映画を見た感想

映画を見ている途中も、見終わった後も、辛くてただただ言葉がなかったです。映像に映し出されるのは、人々の暮らしがあったはずなのに廃墟のようになってしまった街並み、家を破壊され泣き叫ぶ人々、亡くなった子ども、助からなかった妊婦さんと赤ちゃん、番号で書くしかない即席のお墓。こんなに悲惨なことが世界にあるのかと思うほどの映像でした。声が出なかったし、感想を言ってと言われてても難しかった。

私が日本にいるときに、ロシアのウクライナ侵攻は始まりました。毎日テレビで放映されていて、その時はニュースをよく見ていました。でもテレビで放映されることも少なくなって、正直自分にとって遠い世界の話になっていたと思います。この映画が放映されたのは2023年の春。全く知りませんでした。自分から知ろうとしていれば、この映画も見ていたはず。こちらに来てからは、ケンブリッジでウクライナ出身の人に沢山出会いました。何人かはロシアのウクライナ侵攻について私に話してくれました。その時に私がとった反応も、もっと知ろうとしていれば、違う反応ができたんじゃないか。と思います。もちろん映画1つを見たからと言って、人の気持ちが分かるわけではないです。でももっと知ろうとする努力はできたはず。自分を恥じました。

映画を見た後に、映画コミュニティーの人たち8人ほどで感想をシェアしました。中にはウクライナからケンブリッジ大学に留学している学生もいました。私も「この映画を今見れて良かったと思うこと、ロシアの侵攻当初は私も日本で募金をしたり、ロシアに対するデモに参加したりしていたこと。でもその後も関心を持ち続けていていたかというとそうではなかったこと。でもそれではいけないと思うこと、関心を持つこと、それを示すことが大切だと思ったこと」を話しました。私の英語は完璧じゃないです。でも文法や単語が間違っていても、黙っていれば何も伝わらないし、何も考えてないのと同じことになってしまう。他の人に比べたら薄っぺらい感想だと思います。でもこの場で、目の前にいる人に自分が思っていることを伝えられたことは良かったです。ウクライナ出身の人もあなたが日本でも動いてくれたことが嬉しいと言っていました。

それから、「これからどうしていくべきだと思うか、ロシアの国内報道について、ウクライナ人としてイギリスに住んでいる自分は自国に残っている人たちのことをどう思うか」など色々な話題を皆は話していました。悲しいけれど、その会話の全部を私は理解できませんでした。私の目の前にいる人が、自分の思いを真剣に話している。なのに私は理解できなかった。それは残念だし、すごく失礼なことだと思いました。私は人が真剣に話している話を理解できる人間でありたいし、目の前の人と分り合いたい。お互いの考えをシェアしたい。このままではだめだと強く思いました。

この映画は、見ることが本当に辛い映画でした。しかし映画に映し出されていたことは現実で起こっていることの一部です。現実には、映画に映しきれなかった悲しみが、死が、沢山あるのだと思います。なんて表現することが適切かはわかりませんが、この映画を見ることができて良かったです。世界で起きていることについて関心を持っておきたい。他人事と切り離す人間ではいたくない。そして自分の頭で考えることを忘れたくないし、意見を持っておきたいと思いました。

そして、マリウポリに残り、記録を続けたカメラマンや記者の人たち。命懸けの取材、仕事は本当に言葉にできないほどすごいです。その人たちがいたからこそ、世界に伝わる映像があるのだと思いました。日本でもAmazonプライムでも見れるみたいです。もし良かったらぜひ。

 20 days in Mariupol 公式サイト(英語) NHKサイト(日本語)

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